こんにちは、ひつじ子です。
妊娠中は食事のバランスには気を付けている方が多いと思いますが、きちんと栄養が取れているか自分ではなかなか分からないので、ちょっと不安ですよね。
私は妊娠前から貧血気味だったので、妊娠中も貧血の症状に悩まされました。
貧血の改善・予防には鉄分を摂取する必要がありますが、どんな食材から、どのくらいの量を摂取すればいいのでしょうか?
そこで、私の妊娠中に経験した貧血の症状や、改善方法についてご紹介したいと思います。
妊娠中の貧血の原因や症状とは?氷食症って?
どうして妊娠中は貧血になりやすいのでしょうか?
妊娠すると赤ちゃんの血液も作るため、お母さんの血液の量が妊娠前の1.5倍ほどに増えます。でも、赤血球の量はさほど増えないため、血が薄まったような状態になるからです。
妊娠中に貧血の状態が続くと、赤ちゃんが酸欠状態になり発育障害などのリスクがあります。
赤ちゃんの成長とともに胎盤も大きくなり、必要な鉄分量も増えるので妊娠後期はとくに貧血になりやすいです。
妊娠中に必要だというイメージの強い葉酸は妊娠していない時の2倍、鉄は2倍以上必要なことが以下の表から分かります。
カルシウムは、妊娠していない時も妊娠中も必要な摂取量は変わりません。
葉酸(μg) | 鉄(mg) | カルシウム(mg) | |
---|---|---|---|
一般女性 18~29歳 | 240 | 10.5 | 650 |
一般女性 30~49歳 | 240 | 11.0 | 650 |
妊娠中の付加量 | +240 | +15.0(後期) | +0 |
授乳中の付加量 | +100 | +2.5 | +0 |
参照:日本人の食事摂取基準(2010年版)
貧血が軽いうちは自覚症状がないことが多いですが、ひどくなると立ちくらみや頭痛、めまい、動悸や息切れなど様々な症状が表れます。
立ちくらみでお母さんが倒れてしまってはお腹の赤ちゃんも危険ですから、しっかり鉄分を補って貧血にならないように注意することが大切です。
氷が無性に食べたくなるのは貧血のサイン!氷食症って?
私が一人目を妊娠中、「無性に氷が食べたくなる」という状態が続きました。一日に何度も、氷だけガリガリかじっていました。
9月下旬の出産予定で、お腹が大きくなってきたのが夏場だったので、単に暑いせいだと思っていたのですが、これは「氷食症」という貧血が原因の症状だったそうです。
どうして貧血で氷を食べたくなるのかは諸説あるそうですが、鉄分不足から自律神経が乱れる、口内が熱っぽくなるから冷やすため、味覚が変わる、などの原因が考えられるそうです。
その時は、自分では貧血だと気づかず、検査で貧血だと言われ鉄剤を処方されました。
貧血の食事対策は?レバーの食べ過ぎは危険!?ひじきやプルーンは効果ない?
貧血の食事対策として、よく思い浮かべられる食材が「レバー」「プルーン」「ひじき」「ほうれん草」などです。
しかし、レバーは豚レバーも鶏レバーも少量で成人のビタミンA摂取基準の上限である2700㎍/日を超えてしまいます。
脂溶性ビタミンの一種であるビタミンAは水溶性ビタミンのビタミンC等と違って体内に蓄積しやすく、ビタミンAを妊娠中に過剰摂取すると胎児の発育に悪影響があるそうです。
ビタミンA | 鉄 | 葉酸 | |
鶏レバー(100g) | 14000㎍ | 9㎎ | 1300㎍ |
豚レバー(100g) | 28600㎍ | 28.6㎎ | 1782㎍ |
牛レバー(100g) | 1100㎍ | 4㎎ | 1000㎍ |
参照:日本人の食事摂取基準2010年版
鉄分が多いというイメージのプルーンですが、鉄含有量は100g中に0.9㎎です。
まさか、一度に100gもプルーンを食べられませんから、プルーンに貧血改善効果は期待できないでしょう。ただ、食物繊維や葉酸、ビタミンA、E、カリウムなどが豊富なので、毎日食べることに意味はあります。
ひじきも鉄分が豊富というイメージが強く、私も実際に産婦人科の先生からも「貧血予防に、ひじきの小鉢などをプラスしてくださいね」と言われていました。
しかし、干ひじきに鉄分が多いのは、昔は生ひじきを煮るときに鉄鍋で煮ていたのが理由だそうです。
現在はステンレス製の鍋で煮ることが多く、一昨年に改定された「日本食品標準成分表」(2015年度改訂版)では干しひじきの鉄分が改訂前の9分の1に改められました。
鉄分の吸収率をアップする素材と組み合わせる
ホウレン草は青菜類のなかでも鉄分が多い食材ですが、含まれているシュウ酸が鉄の吸収を阻害するので、小松菜やダイコン葉のほうがおすすめです。
手軽に食べられる食材としては、納豆は1食(50g)で鉄1.7㎎、卵黄は1個(18g)で鉄1.1㎎、牛もも肉100gで鉄2.3g、イワシ(60g)で鉄1.1gが摂取できます。
がんもどき(20gで鉄1.9g)や油揚げ(30gで鉄0.9g)、高野豆腐(20gで鉄1.9g)などの大豆製品も鉄分が多く含まれるので、食事に取り入れてください。
植物に含まれる鉄は非ヘム鉄という形で存在し、腸での吸収率が悪いそうです。
青菜や大豆製品を食べる時は吸収率をアップさせるためにもビタミンCやクエン酸と一緒に食べるようにしましょう。
鉄分強化食品なども利用して賢く鉄分を摂取しよう
毎日、鉄分を25㎎摂取するためには食材選びにかなり苦労してしまいますよね。そこで、鉄分が強化されている食材を使えば手軽なので継続して鉄分を摂取できます。
鉄分が強化してある牛乳はメーカーにもよりますが、コップ1杯(200ml)で鉄3~4㎎を摂取できます。
グラノーラやコーンフレークなどシリアル類も鉄分が強化されているので、朝食に取り入れると簡単に鉄分を補えます。
主食のお米に加えるだけで手軽に鉄分が補えておすすめなのが雑穀です。とくに『アマランサス』は100gに含まれる鉄分が9.4㎎と白米の11倍もあります!
炊飯器にお米と一緒に入れて炊くと毎日の主食で鉄分を摂取できます。
鉄剤で吐き気などの副作用があるときは、小児用シロップに変えてもらおう
私は一人目の妊娠中に貧血と診断され、鉄剤を処方されました。
医師から言われたとおりに毎食後鉄剤を服用していたんですが、薬を飲んだ後は必ず胸がムカムカしてきて吐き気がしました。
もう妊娠後期だったので、「悪阻は終わっているはずだし、おかしいな・・・。」と思っていたんですが、調べてみると鉄剤の副作用で気持ち悪くなる人は結構多いとわかりました。
それから、二人目と三人目の妊娠中は鉄剤を飲むのが嫌で、必死に貧血にならないように鉄分の多いものを食べるようにしたので、貧血にはなりませんでした。
ところが、四人目の妊娠後期になって、先生から「貧血の数値がギリギリだから、念のため鉄剤を処方します。」と言われてしまったんです。
そこで、先生に「以前、鉄剤を飲んで吐き気がひどくて飲むのが大変だったのですが。」と言ってみると、「そうですか。じゃあ、ちょっと値段が高くなりますが、小児用のシロップの鉄剤を処方しましょうか?」という答えが返ってきました。
小児用のシロップは、錠剤の鉄剤とくらべると少し値段が高かったですが、数百円の違いです。これで副作用が少なくなるなら安いものです。
私は、出産まで2か月くらいの間、鉄シロップを服用しました。鉄シロップは飲んでも吐き気は無く、大人の私には甘過ぎるという以外は問題なく続けられました。
私の場合は、ヘモグロビンの数値が貧血と判断されるギリギリの値で、もし出産の際に出血が多いと心配だからということで、鉄剤が処方されました。
貧血の症状が重い人は、医師にお願いしてもシロップは処方してくれないかもしれませんが、症状が軽い方であればシロップにしてくれると思います。
鉄剤の副作用で困っている方は、ぜひ試してみてください!
出産後も貧血に注意。授乳期の貧血を鉄玉子で改善!
出産を無事に終えても、鉄分の摂取には気を付けなければなりません。
なぜなら、母乳は血液から作られるので、授乳することで鉄分を消費しているからです。
授乳中の女性が必要な鉄分摂取量は、13.5㎎/日くらいです。
でも、出産後は寝る時間もないほどの忙しさ。自分の食事になんて気を配っている余裕はありませんよね。
私は、産後しばらくすると頭痛に悩まされるようになりました。最初は寝不足が原因かと思いましたが、もしかしたら貧血かもしれないと思い鉄分の栄養ドリンクを買って飲んでみると頭痛がなくなりました。
忙しくて鉄分を考えた料理を毎日作ることは大変なので、手軽に鉄分を補給できる方法はないかと探した結果、南部鉄の『鉄玉子』という商品を発見しました。
私が持っているのは、本当の卵型なんですが、熱くなった時にコロコロ転がって扱いづらいので、薄型のタイプがおすすめです。
なるべく長い時間煮たほうが鉄分が溶け出しやすいそうなので、我が家では、主にお味噌汁やスープを作るときに鍋に入れて使っています。
もちろん、これだけで必要な鉄分が補えるわけではありませんが、一度買ってしまえば繰り返し使えるので、とても経済的です。
最後に
日本だけでなく世界的に、女性は男性と比べると鉄分不足になりやすい傾向にあります。それは、月経の影響で鉄分が体外に排出されるからです。
ですから女性は妊娠中だけでなく、普段から鉄分を意識した食生活を心掛けたいですね。
また、育ち盛りのお子さんやよく運動をする大人も鉄不足になりやすいので、ぜひ食卓に鉄分の多いメニューを加えるようにしましょう!
鉄鍋や鉄瓶など昔ながらの知恵を取り入れてみるのも良いですよ。